「池上×マツコ ニュースな話」尖閣で不測の事態が起きたとしてもすぐにはアメリカは助けてくれないよ

池上×マツコ ニュースな話|テレビ朝日
http://www.tv-asahi.co.jp/ikegami-matsuko/


池上彰マツコ・デラックスの対談ということで、
これは興味深いと思い録画していたので観てみた。

基本的には、マツコが何か突飛な意見を言わないかなと思って観ていたわけだけど、
今回は割と普通な意見に終始していた感じだった、かな。

池上さんからも「常識人的な発言ばかり」だと言われてしまうくらいだったし、
バラエティでの歯に衣着せぬ言動を期待して観るとダメだったらしい。

とはいえ、普段でも割に正論が目立つイメージではあるんだよね。
だからこそ皆の代弁者的なポジションということで好感が持たれるのかもしれない。


ま、そんなこんなで、番組を観て個人的に興味深かった部分を
適当に書き起こしてみようと思います。


★英語を喋れない日本人

池上 例えばね、東南アジアの大学を出た人達ってみんな英語ができるでしょ? 日本の大学出たのに英語を喋れない、だから日本は駄目だってよく言いますよね。それ本当だろうかってねぇ、ちょっと疑問に思った方がいいわけ。例えば東南アジアの国々だとね、実は母国語で高等教育が受けられなかったりするところがあるわけ。

マツコ なるほど、はい。

池上 そこの国の言葉ではアカデミズムの用語、つまり学術的な用語がそもそもなかったりするわけね。

マツコ 要は難しい勉強とか、よりその先の勉強をしようとした時に、母国語だったりで教育を受けられる環境がない、あるいはそういう書物すら出てない。英語が分かってなければ、その先に進めないから英語を身に付ける。

池上 そう。で、大学の授業は英語で行われている。なら、そりゃあ大学出る時には英語力が身に付くわけですよ。

マツコ 身に付くというか、だから、英語が話せなかったらそもそもその教育を受けれてないわけですよね。

池上 つまり大卒の資格が取れてないわけ。日本は日本語で大学教育が受けられるでしょ?

ナレーション 明治の初め頃、福沢諭吉をはじめとする教育者によって様々な英語が日本語に訳され、日本語による大学教育が実現した。

池上 全て日本語で高等教育が受けられるようになったんですよ。これは誇っていい話なのね。

マツコ すごい話よ、うん。

池上 だから、自国語で母国語で高等教育を受けられる国って世界の国で欧米だけでしょ? ほとんどね。そのような状態だって誇っていいんだけど、でもふと気が付いてみると、英語がグローバルで世界共通で使える言葉になっていた時に、幸か不幸か英語を学ばなくても高等教育が受けられるようになっているために、英語力がついていない大学卒業生を大量に生み出していた、というのが今の日本なんだね。

これはほんとに「なるほどな」という話だった、そういう理由があったわけなのだね。
個人的には、日本以外のアジアの国って母国語の母音の数が多いので、
それで英語の発音がしやすいという理由から覚えやすいんじゃなかなと思ってました。



★中国軍によるレーダー照射事件

マツコ こないだあのレーダー照射の事件あったじゃないですか。あれ向こうの外務省の人、ほんと寝耳に水みたいに驚いてたけど、あれはほんとにじゃあ中国の外務省は知らなかった?

池上 知らなかった。明らかに知らなかった。で、ひょっとすると共産党の幹部も知らなかったかもしれない。要するに現場レベルで、言ってみれば暴走のようなことが起きた可能性があるわけ。これは怖い。

マツコ 怖い。でも、もしそうだとしたら、その挑発に日本が乗っかって、じゃあ目には目をみたいな論調になっちゃうのも怖いですよね。

池上 そこは例えば、レーダー照射をすぐに日本で公表しなかったんじゃないかと色々言われてるけど、もしあんなことがあったら、それを直ちに公表して中国の首脳に伝えて教えた方がいい。つまり、中国の首脳は恐らく知らないんだよ。軍部がそんな勝手なことをやってるのか大変だっていう風にするためにも、中国軍はこんなことをやってますよってことを常にアピールしてオープンにしていって、中国の幹部に知らせるっていうこと大事だよね。

マツコ 日本側としてアピールする方法といったら、もっとじゃあ共産党と密にやるしかないですよね。

池上 直ちにオープンにする。ちょっと遅れたけど発表したでしょ? あれで中国は動揺してるわけですから。

マツコ じゃあもっとそれをもう迅速にやるべきだった、あの時は?

池上 うん。

マツコ 中国の幹部があんなことを勝手にやるぐらいな雰囲気になってるって、ちょっと危なくないです?

池上 そう。その後とっても危険なことがあって、逆に中国の軍部にしてみれば、日本との緊張関係を作れば作るほどお金が獲得できるわけですよ。

マツコ なるほど。

池上 こんなことでいいのかって話になってくるわけでしょ。

お金か、そのために緊張関係を築き上げていたというのか。
もしそれが本当にそういう理由だとしたら、虫唾が走ってしょうがない。

ちなみに、2013年の中国の国防予算は去年より10%以上増加して約11兆円にのぼるとのこと。
確かにかなり増えてますな。でも、近年だけの話ではなくずっと増加してるのだと思うけど。



自衛隊国防軍化問題

マツコ あくまでも自衛隊だから入った人もいますよね。

池上 たぶんいるでしょうね。軍隊になるなら辞めるよって人もいるかもしれない。

マツコ どうしたらいいですかね、これ。

池上 つまり、ひたすら曖昧に曖昧にやってきたんですよ。例えばね、最初に警察予備隊を作る時に当時の吉田茂首相がね、これは軍隊ではありませんと。なんか非常に議論がね、細かいところで訳分からないわけ。さらに言うとね、じゃあ自衛のためのものならいいと、今はだから自衛のための“実力”を持ってるって言うんですよ。戦力じゃない。戦力も憲法違反でしょ? だからね、日本を守るための実力を持っている。

マツコ もはやあれだけ戦闘機もありってなってくると、実力っていうのは戦力のことですよねって話ですよね。

池上 だから日本は爆撃機を持っていないことになってるわけ。爆撃って向こうにこうやるから。

マツコ 結構持ってるじゃないですか。

池上 あれはね、対地支援戦闘機って言うんです。

マツコ 支援してるんだ。

池上 そう。という風に全部言い換えてたりすることがあって、あるいは「自衛のためであれば核兵器を持つことが出来る」って過去に国会で答弁してる、岸内閣の時代に。

マツコ 岸さんが?

池上 うん、意外とみんな知らないでしょ?

マツコ じゃあ、今あったとしても不思議ではないわね。

池上 ただ、核兵器って究極の兵器でしょ? それ自衛のためかっていうことになると非常に曖昧なわけですよ。

マツコ ただ、抑止力っていう点では、この上ない抑止力ではありますよね。

池上 はい、それはそうですね。

核兵器は今日本にあるんじゃないか、という議論は定期的に挙がる気がするね。
30分くらいで組み立て可能な核兵器が地下に隠されているという話を
どこかで聞いたなぁ、マユツバどころの話ではないけれども。



日米安保について

マツコ やっぱりアメリカ無しじゃあ日本は生きていけないんですよね?

池上 うーん、それはそうでしょう。それは経済関係においても全てに渡ってね。で、もう一つ例えば尖閣諸島の問題があるでしょう。

マツコ はいはい。

池上 尖閣諸島で例えば中国と何かあった時にすぐアメリカが助けてくれると思ってる人がいるけど、必ずしもそうじゃない。つまりアメリからしてみれば、そこは日本でしょ? まず日本の自衛隊がやりなさいよと。その上でアメリカも応援に駆けつけますよ。さらに言えば、厳密に言うとアメリカは軍隊を動かすにはアメリカの議会の承認が必要なんですよ。つまりね、宣戦布告、つまり今から戦争するぞという宣戦布告の権限は議会が持ってるわけ。ただ、大統領は最高指揮官なので軍隊を動かすことは出来るけども、宣戦布告の権限は議会が持っている。となると、日米安保によってアメリカ軍がさあ日本を守るために色んな戦闘行為になってくると、アメリカ議会の承認がないといざっていう時にどこまで出来るかって話が実は起きてくるっていうこと。

マツコ やってくれるかなぁ?

池上 そこ、そこなんだよね。だから、助けてくれるけども運命は共にしない。

マツコ 難しいことを迫られてますよね、今の日本は。

池上 そう、次から次へとね。

マツコ う〜ん。

池上 で、つまりこれまで難しく厄介だったから考えないできたわけでしょ? 全て先延ばしにしてきた。

マツコ だから全部お金で解決してきたんだよな、日本ていうのは。

池上 そう、その通り。

僕も完全にアメリカさんがすぐ助けてくれるもんだと思っていたけれど、
言われてみれば確かに軍隊をすぐさま簡単に動かせるわけがないもんなぁ。

議会の承認ねぇ、それは日本の足元を当然見てくることになるだろうし、
やはり何事もお金が絡んできそうな予感しかしないものだわ。


それにしても、オープニングにて2人が立ったまま並んで喋っていたんだけど、
ほとんど身長が同じだったということに驚いた。池上さんて意外と背が高いのかなぁ?


「池上×マツコ ニュースな話・第2弾」マツコが考える投票率を上げる方法



池上彰 - Wikipedia

マツコ・デラックス - Wikipedia


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