「池上彰くんに教えたいニュース」観たよ、森喜朗元首相による自民党総裁選・裏話

池上彰くんに教えたいニュース - 金曜ロードSHOW!
http://www.ntv.co.jp/kinro/lineup/20130503/

先日放送されたものを録画していたので観てみた。

正直どういった内容のものなのかも分からずに観始めたわけなんだけど、
これまで教える側だった池上さんが教わる側にまわるというスタンスの番組らしい。

教わると言っても、池上さんが「ズバズバと質問をして答えを引き出す」
と言ったほうが正解のような気もするけれど。
要するに対談番組といった感じだったんじゃなかろうかと。

で、出演者の中には森喜朗元首相なんかも登場しており、
なかなか興味深い話もされていたので、その部分を少し書き起こしてみたいと思う。

池上　今こうお見受けするところ大変お元気ですよね。なぜ国会議員を引退しようと思われたんですか？
森　まあ、あまり長くやるべきことでもないと思ったからね。75だよ？　43年間やっていたんだから。まあ人生ねぇ、つくづく辞めてね、あぁ私はこんなに自由にモノが言えてスッキリした時は今ほどないもんね。
池上　今なら自由に色々喋れるわけですね。じゃあお伺いしますが、安倍総理、今は高い支持率を得ていますけど、森さん最初は安倍さんを総裁選挙では支持されませんでしたよね。
森　支持するしないではなくて、僕らの仲間では町村さんと安倍さんと両方が出られるでしょう？　だから、お父さんとお母さんが手を挙げられたら子供はどっちに付いていいかっていうことでしょう。皆が苦労するからどちらかに整理をしたらどうだっていうことを言ったんです。
池上　そこはねぇ、まだ分かるんですね。同じグループじゃないかと。で、町村さんを応援するなら分かるんですが、石原伸晃さんを……。
森　これはねぇ、テレビであんまり言っていいか分かりませんけれども、一昨年になりますね、3.11の前の日ですよ。石原さんが都知事選に出るか出ないか、私は出て欲しいと思っていたんですけども、石原さんに話が出来る人が我が党にはあまり、総裁も副総裁も一生懸命やっておられたけどダメなんです。で、たまたま息子さんが幹事長でしょ？　もし石原さんが出ないってなると「親父も説得出来なかったのか」と言われたら石原さんに傷がつくじゃないですか、幹事長として。それで、どうしようもなかったらしくて、僕が石原さんとは昔から長いお付き合いだから、お話をしていたのが3月10日の明け方なんですよね。色々な経緯がありましてね、先生はやはり息子さんのことは可愛いんですよ。
池上　石原伸晃さんが、なんか涙を流したとか話が。
森　お父さんにねぇ、あれだけ激しくね「これだけ言ってもお願いしても聞いてくれないんですか」ってずいぶんね、お父さんに激しくね、伸晃さんは迫ってましたよ。それを見ていてあまりに気の毒で「伸晃君、いいかげんにしておきなさい」と言って、あとは私が石原さんとだけ残って話をしたんです。だから、お父さんの気持ちは伸晃のことを頼むよなっていう気持ちがずっとずーっと以前からあるんです。その事を私が一番よく知ってますから。
池上　そこで、じゃあ伸晃君を総裁にという応援をしたと。
森　伸晃さんが手を挙げていた以上は石原のお父さんとの前からの約束があるから、じゃあ応援しますよと。
池上　本当に政治の世界って義理と人情ですね。
森　まあ、そうでしょうね。頼まれ事をして聞いてくだされば、それに対して応えてあげるっていうのは大事なんじゃないですか。
池上　本当に情の世界ですよね。
森　5チャンネル行ったり、4チャンネルに行ったりしないもんなんです（司会の羽鳥アナに対して）
池上　なるほど、見事な切り返しですね（笑）
羽鳥　さすが総理です。
池上　その一方で、そもそも日本の総理大臣というのは政策だったり政治的な実力で本来選ぶべきものであるのが、情にほだされてという選択の仕方は違うんじゃないですか？
森　僕が選ぶんじゃないんですよ。実力があってやろうという気持ちがあるから皆さん立候補されたんでしょ？　その立候補された方を推薦するか推すかっていうことは情やなんとかとはそういうことと別問題なんじゃないですか。実力があって皆やっておられるから手を挙げてるんじゃないですか。手を挙げている人を応援する事はいけないんですか？
池上　いえ、そういうわけではなくて、つまり、それぞれ実力がある人だから誰になってもいいよという意味？
森　誰がなっても同じことなんじゃないですか？　思想的にそう違うわけじゃないし。皆仲間ですもん。
池上　それで選んだというわけですね。
森　それはお父さんとの約束があるから。
池上　つまり政治の世界っていうのは、こういう風にして動く部分があるっていうことですね。
森　そういう面もあるっていうこと。
池上　そういうことですよね。